足湯日和

 つい先日に所要にて出掛けた折、せっかくだからと少し足を延ばした。手土産を購入することが最もな動機だったけれど、ふとした場所で足湯なんてなものを見付けた。寒い日の朝である。まして、気分転換にも良かろうと意気揚々に向かった。

 ワクワクしつつ足を踏み入れた!いささか深さの目測を見誤ってスラックスを濡らしもしたが、まぁ時期に乾くのだろうし、これと言って気にせず足を踏み入れた。片足を入れて、もう片足をと思ったならば、最初に濡らしたのだから、更にまくればと今になっては思うのだけれども、その時はワクワク感から冷静な気持ちではいられず、即座にいれてしまって、結局は反対の足も濡らすことになった。


 足湯なるは温かいものだ。だが、濡れたズボンの部分は風が当たるや余計に寒く、いや、余計に冷たくなって、温まりたくて入っているのに、温めている少し上の部分は真反対に冷やすという悩ましい事態に陥った。よって、ここはと思い立ち、まくったスラックスを戻しつつ、そのまま湯に入れた。これによって、どこも温かい!あとは移動する車中にて、ガンガンに暖房を入れればと…


 雪が積もる階段を上がってきた。恐る恐る!車に戻る際にも恐る恐る…だが、スラックスを濡らしたことで水分が垂れることが原因なのか、やたらと滑り、滑るのだ。まぁその結果、尻もちを付いた。朝ということもあって、周囲に人影はなく、痛さのままに痛みを感じていたが、このような時には、誰かに見られていたほうが痩せ我慢で痛みを感じないのでは…とか考えながら痛みを感じた。


 しばし痛みが引くのを我慢していたが、痛くて留まるも、吹っ切って濡らしたスラックスの部分が冷たくなってきて、まともに風が当たるものだから殊更に冷たい!よって、いたたまれない状況ながらも、痛くて動けず、いや、いたたまれないのだけれども痛たまれるというか、いろんな意味で身分転換になる新鮮な朝だった。

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